ジパングについて

金鉱山の価値基準

ジパングの展開する金鉱山事業は、金の専業という面で同一、類似な事業者が日本国内に存在しておりません。また、鉱山会社の価値は、一般の事業会社のそれを計る手法と異なるため、当社事業の価値について、広く市場や投資家のみなさまから理解を得るのは難しい状況にあります。

まずは金鉱山の鉱量評価の方法や金山会社の鉱量算出方法、金鉱山の評価基準についてご紹介します。

Point 1: 金鉱山の鉱量評価

可採粗鉱量(リザーブ:Reserves)と埋蔵鉱量(リソース:Resources)で示される鉱量は、鉱山の価値であり財産です。鉱量を測定する基準として、日本工業規格 (JIS) に鉱量計算基準があります。

用語の定義

まずは、鉱量を示す際に使用される、用語の定義をご紹介します。

鉱量 埋蔵鉱量と可採粗鉱量で表します。
埋蔵鉱量 (リソース) 地殻中に確認する鉱石の質量です。
可採粗鉱量(リザーブ) 埋蔵鉱量のうち、採鉱しうる鉱石の量です。
埋蔵鉱量および可採粗鉱量 埋蔵鉱量及び可採粗鉱量は、それぞれこれを確定、推定、予想の3種類に分類します。
・確定鉱量 「適当な鉱画」によって容積、品位が確認された鉱量をいい、鉱床の性質または開発の状況によって、連続性が確実に認められる部分にも、場合によって加えることができます。
・推定鉱量 「適当な鉱画」によって確定はされていないけれど、探鉱の結果及び鉱床の性質によって、容積・品位が推定される部分の鉱量をいいます。
・予想鉱量 確定鉱量及び推定鉱量としては計上できないが、地質鉱床的に容積及び品位が予想される部分の鉱量をいいます。

品位とは・・・・ 鉱石中の有用鉱物・金属の含有率で、鉱石の価値を示します。通常重量百分率で表すが、貴金属鉱石などでは鉱石1t中の含有グラム数で表します。

鉱量の表示について

鉱量を記載するには、埋蔵鉱量と可採粗鉱量とを併記し、それぞれを品位別に分類します。鉱量計算に用いる品位は、採取した試料の化学分析に基づいて定めます。

鉱量計算
原子吸光分析機(Atomic Absorption)で分析し、
各孔毎の金(AU)品位を測定します。

日本の金鉱山では、基本的にはこのJIS鉱量計算基準を適用し、また外国の金鉱山でもほぼ同様の基準に従って、鉱量と品位を算出します。実際に鉱量計算に基づいて操業する場合には、鉱量と品位に加えて、金価格等の経済性や、金採掘・抽出技術等が考慮される必要があります。

Point 2: 鉱山会社の鉱量計算

埋蔵鉱量(リソース:Resources)

金鉱山会社は、まず金がありそうな区域の鉱区 (鉱業権) を取得します。そこで地質調査、地化学探査、物理探査、岩石試料採取、その分析、ボーリング探鉱、その試料の分析等を実施し、金鉱石の量と品位を把握します。この段階における鉱量を「埋蔵鉱量(リソース:Resources)」と呼びます。
埋蔵鉱量の計算には、以下の要素が関わります。

金の採堀は、地質技師が鉱床を発見することから始まります。

  1. データ密度
  2. サンプル地点の精度
  3. ボーリング技術
  4. サンプリング技術
  5. 鉱石および岩石比重
  6. 分析データの精度
  7. 記載データの精度
  8. 地質解釈
  9. 鉱量計算手法

可採粗鉱量(リザーブ:Reserves)

金鉱山会社は、上記過程において、ある程度の埋蔵鉱量がありそうだと判断した段階で、探鉱と平行に様々な試験、研究を開始します。

例えば…

○ 金がどのような岩石、鉱物にどのように含まれているか
○ 金粒の大きさ、付随する他鉱物はどのようなものがあるか
○ 地表近くの鉱石と深部の鉱石は同じ鉱質か否か
○ 金鉱脈近くの岩盤は堅固か軟弱か  等…

これらの研究結果がまとめられ、フィジビリティスタディ (F/S) が完成します。この段階の鉱量を「可採粗鉱量 (リザーブ:Reserves)」(または、稼行対象鉱量) と呼びます。
可採粗鉱量を計算する重要なファクターに、以下のようなものがあります。

1. カットオフ品位

「カットオフ品位」とは、ペイリミット (pay limit)ともいわれ、採掘しても利益が出ないと考えられる鉱石の品位です。
言い換えると、ある金価格をベースに鉱石の価値、すなわちその品位が、含有されている金の回収に要する全経費を賄う品位と同等の場合を、カットオフ品位またはペイリミットといいます。したがって、金価格が上昇するとカットオフ品位が下がるので、可採粗鉱量は増加することになります。

金価格の他に、カットオフ品位に影響する要因として以下があります。

  • 全コスト (探鉱費、採掘費、選鉱費、管理費)
  • 選鉱回収率

カットオフ品位を下げる唯一のプラスファクターとしては、

  • 副産物 (例えば銀、銅等) の含有量

があります。

2. ズリ混入率 /坑内採掘

金鉱脈を坑内採掘する場合、例えばこの鉱脈の幅が30cm、品位が50g/tAu (サンプルの分析値) であったとします。技術的に最小採掘幅が1.5mと仮定すると、鉱脈の他に120cm幅のズリ (金を含まないただ岩石) も掘らなくてはなりません。したがって、鉱脈の長さと深度を一定とした場合、埋蔵鉱量は[ 品位50g/tAu×30cm ]、可採粗鉱量は[品位50g/tAu×30cm÷150cm ]で10g/tAuとなります。仮に金価格が安くペイリミットが11g/tAuであった場合、この鉱脈は掘ってもペイしません。したがって埋蔵鉱量としては計上できますが、可採粗鉱量としては計上できないことになります。

3. ズリ混入率 /オープンピット

オープンピット(露天掘り)においても坑内採掘と同じ考え方を採用します。地表近くに金鉱脈 (鉱床) がある場合、通常地表に鉱脈の一部が露出し、ほとんどが土壌下に埋もれています。鉱脈は岩石中に複雑に分布しているので、地表からこの鉱脈を採掘する場合、まず表土を剥ぐ必要があります。さらに鉱脈の周りにあるズリを掘って、鉱脈を掘る準備をし、採掘に入っても鉱脈に接触している岩石 (ズリ)を掘ることになります。
F/Sでは採掘終了までの表土 + 岩石 : 鉱脈 (鉱石) の比率をコンピューターで計算します。この比率を剥土比 (stripping ratio) と呼び、比率が低いほど効率のよいオープンピットといえます。
通常、オープンピットの終掘の形は、すり鉢上になります。したがって逆三角錐型の鉱床が最も効率のよいオープンピットの対象鉱床といえます。逆に、先の坑内採掘の鉱脈例のような単一鉱脈の場合、どんなに金品位が高くてもオープンピットには適さないということになります。

4. 選鉱回収率

採掘された鉱石は、ある程度砕かれて選鉱過程において最終的に金が回収されます。選鉱システムに最初に投入される鉱石の金品位から理論的な金量が計算されます。
これは通常採掘対象鉱画の可採粗鉱量の品位です。その後、選鉱システム最終段階でドーレ (Dore) が生産されます。このドーレ中の金量と最初の投入鉱石中の理論金量を比較しその比率を選鉱回収率と呼びます。選鉱技術が高ければ高いほど、また鉱石の組織が単純であればあるほど、この回収率は高くなります。
このように、可採粗鉱量は経済性及び採鉱・選鉱技術を考慮して計算された鉱量であり、確度の高い方から順に
○ 確定鉱量 (Proven Reserve)
○ 推定鉱量 (Probable Reserve)
○ 予想鉱量 (Possible Reserve)
の3つに区分されます。

埋蔵量および可採粗鉱量
埋蔵鉱量及び可採粗鉱量は、それぞれを知識レベルによって確定、推定、予想の3種類に分類できます。

埋蔵鉱量と可採粗鉱量は右記の3つに分類される 知識レベル(Level of Knowledge) 埋蔵鉱量(Resources) 可採粗鉱量(Reserve)
「適当な鉱画」によって容積、品位が確認された鉱量をいい、鉱床の性質または開発の状況によって、連続性が確実に認められる部分にも、場合によって加えることが出来ます。 Measured Proven
「適当な鉱画」によって確定はされていないけれど、探鉱の結果及び鉱床の性質によって、容積・品位が推定される部分の鉱山量をいいます。 Indicated Probable
確定鉱量及び推定鉱量としては計上できないが、地質鉱床的に容積及び品位が予想される部分の鉱量をいいます。 Inferred Nota reserve

Point3. 金鉱山の評価

埋蔵鉱量を発見するまでには、相当の探鉱費が費消されます。研究・検討の実施により可採粗鉱量が計上されF/Sが完成し、そこで初めて鉱山の金生産規模が決定されます。それにより金の年間生産量も決定し、採掘終了までの鉱山命数も判明します。
金鉱山の操業開始までには莫大な建設費 (選鉱場等)と開発費 (シャフト、開発坑道等) がかかります。この探鉱費、建設費、開発費を起業費 (初期投資) と呼びます。この他に操業初期には運転資金が必要になります。ある金鉱山がどの程度の収益を上げ得るかを推定する方法のひとつに、DCF-ROR計算があります。これはDiscount Cash Flow-Rate of Returnの略で、割引された現金の流れから、利益率を求めるという意味です。RORには通常IRR (内部収益率:Internal rate of return) が使われます。

簡単に表現すると、初期投資額から各年のフリーキャッシュフローの現在価値 (PV) ×n (鉱山命数n) の総計を差し引くと0となる割引率をIRRと呼びます。
IRRが大きいほど投資の採算性が高いといえます。仮に初期投資金を全部銀行から借りその利率が8%とすると、IRRが8%である場合、銀行に利子のみを返却するだけで終わってしまうことになります。新規鉱山の場合、F/Sの目的が採算性評価であることから、信用のできるコンサルタントにF/S作成を依頼することが、非常に重要となります。